じいちゃん、ばあちゃんを連れての病院巡りで1日が暮れる。
病院ってところはとにかく疲れる。
じいちゃんが言う。
「あんたあ、大変じゃの〜。」
そうだね。
ばあちゃんが言う。
「あんたが生きとるうちに、ワシらも死なんとの〜。」
「えー!大丈夫よ。ヨメ、長生きするから。」
「ほーかの〜。」
でたー!ばあちゃんの
「ほーかの〜。」
「ワシらの方が長生きするかもしれん。」
言うね〜!
まあね、人の寿命は分からない。
最近よく思うのだが、長寿が幸せだと限らないな、と。
特に食べたいものもなく、行きたいところもない、やりたいこともない、って、じいちゃん、ばあちゃんは言う。身体が弱ってきて気力まで落ちている。ボーッと過ごして、病院行って、1日が終わる。少ない年金にかさむ医療費。
「はあ、どうでもええ。」と思う気持ちもわかる気がする。
いっそのこと有り金全部持って、遊びまくってはどうか?っと提案するも、そんな気になれない、と言う。
医療が発達して死ねなくなった。
これは幸か不幸か?
独居老人が衰弱して孤独死。
これは幸か不幸か?
集団の中の孤独ってのもある。
「あんたが生きとるうちに遊びまくるわ。どっかで死んでたら後始末だけ頼むね。」
これは幸か不幸か?
ん?
これっていいんじゃん。
資金が問題ではあるが・・・。
ヨメ、老後は遊びまくりたいな。
そんなことを考えながら夜になり朝になる。