自転車の音。
笑い声・・・。
ああ、お隣の孫たちが保育所から帰って来たんだ。ばあちゃんもそろそろデイサービスから戻る時間だな。
ヨメ、庭に出て手をふる。
「おかえり。」
「ただいま」子どもたちの声。
そこへばあちゃんの友人が「ビワ」を持って現れた。あら、ありがとう。
ベンチを引っ張り出して、ばあちゃんを待ちながら、みんなとしばし歓談。
懐かしい気がする。
ヨメの小さい頃って、そうだったな。
立ち話をしているお母さん達。水をまいているおじいさん。野菜を配っているおばあさん。その中で遊んでいる子どもたち。
遠い記憶・・・。
5時の帰宅を促す町内放送がかかる。
ちょうど、ばあちゃんが帰って来た。
「お帰りなさい。」
みんなで出迎える。
ばあちゃん、嬉しそう。
待ってくれていた友人とベンチに座っておしゃべり。
「サイダーでもどうぞ。」
優しい時間が流れる。
人間ってやっぱりいいな。
田んぼの稲も青々と。
庭の紫陽花も生々と。
みんなの命もキラキラと