ヨメろぐ

嫁を通して見た小宇宙!同居人の介護のため、31年間続けた仕事を辞めてヨメはじめました。ちょっと笑える日々のことをイラスト付きで更新中✍

ばあちゃんの夢

 「部屋が新しくなったら、わしゃあ、自分の部屋で寝る。」発言を受けて、ばあちゃんが自分の部屋で過ごせるように、リホームした。よく、寝られるようである。

 じいちゃんが逝って、3ヶ月。

ばあちゃんは「さみしい、さみしい。」と言っている。

 

 ばあちゃん、以前はこんなこと言ってたのになあ。昨年の12月18日に書いたブログの下書きを読み返す。

  以下、未発表ブログである。

 

『「のお〜、じいさんが死んだら、ゆっくり旅行したいのお〜。」

 

 まあ、そうだね〜。

 

「正月🎍も、どっかに泊まりに行きゃあええの〜。」

 

 今は無理だけどね〜。

 

「早う逝ってくれんと、ワシが遊ぶ時間がなくなるのぉ〜。」

 

 確かにね・・・。

 

 この1年、じいちゃんは外出を嫌がった。車椅子もあるのだが、移動用の酸素ボンベもあるのだが、外に出るのは「嫌だ」と言う。で、家族で外食することもなくなった。

 

 今はとにかく苦しい・・・。

寝室からトイレまで1メートルもないのだが、歩くと息が切れ、顔面蒼白である。

 

 そんなじいちゃんの世話を、ばあちゃんは甲斐甲斐しくしている。

でも、ばあちゃんもくたびれるのである。

 元々、ばあちゃんはじいちゃんに何もさせない。女が男の世話を全てすべきだと信じ、そして全てやってきた。じいちゃんが布団に入る時には、布団をはぐってかけてあげるのである。

 ヨメには到底できないな。ヨメは「自分のことは自分でする」方針である。

 

 不思議なことに、ばあちゃんはじいちゃんの世話を焼いている時はボケない。人は何らかの使命感があると活性化する生き物のようである。

 しかしながら、ばあちゃんも84歳。

じいちゃんのことを一切気にせず、旅行もしたい、外食もしたい夢を叶えるには、じいちゃんに粘られるのも複雑な思いがするそうである。』

           (2020年12月18日記)

 

 慣れ親しんだ日常に疲れてくることがある。現状に行き詰まりを感じたり、閉塞的な状況から抜け出したい・・・と考えることもある。

 きっと、ばあちゃんもそうだったんだな。

今は、悲しみと迷いと不安の中にいる。

 人間の感情って複雑だな。

きっと、精一杯、「今を生きる」だけだな。

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