ヨメろぐ

嫁を通して見た小宇宙!同居人の介護のため、31年間続けた仕事を辞めてヨメはじめました。ちょっと笑える日々のことをイラスト付きで更新中✍

母と巻き寿司

 

「最期にもう一度巻き寿司が食べたいわね~。」

母はこの言葉を最後に目を開けなくなった。もちろんしゃべらない。

先日、病院から施設に移った。かれこれ3週間、口から食べていないので、それはそれは痩せている。穏やかな寝息と、時折うなづいているような仕草。聞こえているのか?

施設では火、木、土曜日の14:00〜面会が許可された。

巻き寿司・・・か。

無理だ。

 

友人の母が「匂いだけでも嗅がせてあげたら?食べた気になれるかもよ。」

‼️

そうかもしれん!食べられないのに酷かなとか、色んな葛藤が生まれたが、好きな食べ物の匂いを嗅ぐと幸せな気分になるではないか。ヨメは・・・なる。(≧∇≦)

レッツ トライ(^^♪  

今日の計画を立てなくっちゃ。

12:30 自宅を出発

↓      🚗

13:30 母の好きだった巻き寿司を買う

↓      🚗

14:00 施設着 面会10分

↓      🚗

15:30 自宅着 デイサービスから帰ってくるばあちゃんを迎える。うん!よし、いける!!

 

巻き寿司は母に届いたか??

f:id:samantha1962:20230606171245j:image

少しにおいを嗅ぐ仕草をしたような・・・気がする。介護士さんたちも「何かクンクンしてない?」確かに、なんか反応している。

・・・気がする。眉間にはしわを寄せているが。(;一_一)

ヨメの自己満足の世界かもしれないが「よし」としよう。次の面会では母が描いた油絵を持って行ってお話をしてみようか。

f:id:samantha1962:20230606171527j:image
f:id:samantha1962:20230606171524j:image

ヨメがインドネシアに単身赴任する時に母が持たせてくれた絵である。裏にはメッセージが。やはり母だな、と思うヨメである。感謝

 

 

3つの選択 人生のしまい方

 

ドクターから説明を受ける。肺炎も治り、検査の結果は特に悪いところはない。問題はただ眠っていて何も口にしないということ。病院から施設に移ることになった。

施設に戻るにあたって、積極的な延命をしないということを踏まえてドクターから3つの選択肢が提示された。

① 今の点滴だけを続ける。栄養としては十分ではないが。

② もう少し太い点滴ばりにかえ、点滴の量を増やす。針が太いだけに血管が傷つく恐れもある。

③ 鼻からチューブを入れ、食事を摂らせる。点滴と併用し、栄養を確保する。

姉とヨメ、①を選択。母はもう十分に頑張った。これ以上、この世にあしどめさせて、どうなるのか。「私は幸せでした。これも自然の理。」と言った母も覚悟はできているんじゃないかと思う。

思うけど・・・残された者ののエゴかもしれんな。

実は④番目の選択もあった。「病院は治療をするところなので無理ですが、①の点滴をしないこともできる。衰弱は早まるでしょうが。」

・・・。

今ついているものを外すのは勇気がいる。それはできなかった・・・。ヨメはエンディングノートに治療について書いておかねばならんとつくづく思った次第である。どこまで自分はしてほしいのか。母は91才であることを考えると「大往生」である。もしも60代なら、70代ならどうであろうか?本人の意志確認がなければ、どうしてよいか、家族は悩むことになるであろう。エンディングノート、毎年、書き換えたっていいじゃないか。とりあえず、「苦痛」だけは取り除いてほしいと願うヨメである。

母の死に向かう姿に、ヨメはいろいろと考えさせられる。自分のこれからのこと、家族のことを。自分の前には、おじいさん、おばあさん、父に、母、叔母さんに・・・と、後ろの方から「死」をながめていたが、1つずつ時代が終わり、気が付けば自分が先頭に立たされる日が来るのもそう遠くはない。自分の番・・・。ヒョエ〜ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3

f:id:samantha1962:20230603171027j:image

「今 ここ 自分」を覚悟して生きよう。

人生の最期は誰かの協力が必要だか、迷惑をかけるかもしれないが、まあ、大目にみてもらいましょ。

f:id:samantha1962:20230603171725j:image
f:id:samantha1962:20230603171728j:image

あっ!母の入れ歯。

入れて逝きたいのか、外したままでいいのか?

「そんなの、どっちでもいいわ。こっちは、それどころじゃないのよ!」と、母に叱られそうである。

 

結婚観と夫婦観とヨメのツレ

 

 

母の見舞っての帰り道、赤信号。ツレがサイドブレーキを引く。カーテレビに何やら昼ドラが流れる。湿っぽい。『昼顔』だわ。昔、ヨメは斎藤工さんに憧れていて、このドラマを見たことがある。あるのだが、苦手な分野。ドロドロ不倫・・・その不倫が純愛だとか・・・?

サイドブレーキを引くたびに、このドラマが映し出される。

思わずヨメ、「他人のものを盗っちゃだめだよね。」

「借りるのはいいんじゃない?」と、ツレ。

f:id:samantha1962:20230602211641j:image

・・・。

どーゆーこと?

「ほー、ツレは借りるのはいいと思ってるんだ。」

「あ、いや、どうかな?えっと、何の話だっけ?」

はあ~💢

ツレ~!

連れ添って早36年・・・。一番長い時間を共に過ごしてきたツレである。ま、価値観に多少のズレはありはするが・・・。

『結婚相手は両目を見開いて相手をよく見ること。結婚してからは片目をつむること』などと言われるが、ヨメは逆であるな。

片目で見て結婚し、結婚してからは両目でガン見。嫌なところばかりが目についてしまう。「ツレ~、あなたは一体、誰ですか?」と時々、思う。ツレは一番近い他人だと思っているが、ときどき遠い。

そもそも、好きで結婚する時は両目を見開いて見たって、何も見えないのではなかろうか?『あばたもえくぼ』って言うではないか。結婚後、片目で見ても、いや、両目をつむっていてもその言動に空気感にイラつくことはないか?

待てよ、ツレも同様に思ってるかもね。

なんだか、寂しくなってきた。ツレに『長い夜』(松山千春)を歌ってもらおう。(^^♪

恋にゆれる心ひとつ
お前だけを追いかけているよ
おいでここへ僕のそばに
燃えるような口づけをあげる
長い夜を飛び越えてみたい
お前だけに この愛を誓う
重ねた腕の ぬくもりに
とまどう二人

熱唱後、ツレにアンコールを所望したところ

「あのね、僕、仕事で疲れているんだけど・・・。」

ツレ〜!ヨメは「今」なんだよ!と思ったが、ヨメも眠たくなってきた。ツレより眠気が勝っちまったな。

ツレにドキドキ トキドキツレ でいいっか。

 

 

 

母と ばあちゃんと 死への覚悟

 

 

母が入院して2週間と5日・・・。母は腕に点滴をしたまま、眠っている?というか、目が開かない。呼びかけても何の返答もない。聞こえているのかいないのか?どうなるのだろう?医師に聞くと「検査の結果、もう悪いところはないんですけどねえ。強いて言えば、ご高齢なので。」

そうである。コロナ後の肺炎で緊急入院したが、母は高齢である。91才。

もう十分だと思うのだ。入院した翌日、母と姉とヨメとで話した10分間。母は「私は幸せだったわ。」と言った。そして、先に逝った人たちに感謝の言葉を言っていた。もう十分ではないか。

ヨメは時間の許す限り1時間半かけて母に会いに行く。家にはばあちゃんがいるから、見守りカメラでばあちゃんの様子を確認しながら母に会いに行く。何とも気ぜわしい。が、ばあちゃんもよく我慢して、ヨメを送り出してくれている。帰宅後のばあちゃんの長々続く愚痴は聞かねばなるまい。みんな、なんとなく終わりを感じながら、なんとなく不安な中にいる。

疲れた・・・。疲れるのならば病院へ行かねばいいのに・・・ね。

ずっと施設に入ったきり3年間も会えなかった母への罪滅ぼし、というか、なんだろうね、恩返しというか、とにかく、きっと自己満足のためであろう。

家族がそばにいようがいまいが、死ぬときは一人である。ピンピンコロリが理想ではあるが、それでもその瞬間は一人である。受け止める覚悟も何もあるものか。「死」っていうものは、どうしようもない、抗いようのないものである。人類はそれに抗おうと、もがいているが・・・。

いつ直面するかわからない「死」を覚悟しながら生きねばなるまい。

動かない母の足をマッサージしに病院へ向かうヨメの背中に、「ワシの時も頼むのぉ~。あんたが頼りじゃ。」とばあちゃんが言う。聞こえないふりして車に乗り込むヨメの心は憂鬱である。「任せといて」って一言いえばいいじゃないか!なんでか言えないヨメをばあちゃんは許してくれるであろうか?

ヨメ、まだまだ修行が足りんなあ・・・。

f:id:samantha1962:20230530055305j:image

 

 

マナー違反だなあ〜

 

駅の待合室で電車の来る時間を待つ。鼻がムズムズ。「ハックション!」あわててマスクを押さえる。

ツー。鼻水・・・。

「クシューン!!チーン!!」

ヨメ、鼻をかむこと3回。向かいでおしゃべりしていた高校生が話すのをやめてヨメを見る。少し離れたところに座るおじさんが眉をひそめる。

しまった‼️

日本では人前で鼻をかむのはマナー違反であったな。

ヨメ、いつもはマイカーで移動する。何も気にせず鼻をかむ。スッキリするまで鼻をかむ。

今日は電車であった。

ああ、完全に

公共の場であることを失念していた・・・。

「日本ではなんで鼻をかむのはマナー違反なのであろうか?ラーメン食べる時は音立ててよいのに。」と、ひとりゴチる。外国人のフリをするか⁉️Saya tidak apa apa!

しかし、鼻水が止まらない。かくなる上は鼻栓をするしかないな。マスクでどうせ見えないし。そうすると今度はくしゃみが止まらない。当然鼻栓も用をなさない・・・。頭がクラクラしてきたわ。

久々のピンチであった。目撃者が乗った車両を避けて、電車に乗り込む。何とか鼻水もくしゃみも止まりホッとする。電車から降りて振り返るとなんと

カープ電車であった〜❣️

うつむいていたから気づかなかった!嬉しい♫

f:id:samantha1962:20230519165123j:image
f:id:samantha1962:20230519165125j:image

新井監督のお言葉「あの打席は、生涯忘れることができない。」

さしずめヨメは「あの鼻栓は、生涯忘れることができない。」だなあ〜。😩

 

アンタの名前は?

 

ばあちゃんが3泊4日のショートステイから帰ってきた。嫌々でも行ってくれたお陰で、ヨメは母のお見舞いに行けたのである。

ばあちゃんを迎えに行った帰りの車で、

「アンタ〜、どういう名前じゃったかいのぉ〜。」

・・・。ʅ(◞‿◟)ʃ

ばあちゃん、ヨメの名前が思い出せないらしい。娘と息子の名前は分かる。

へん!なんてこった。ヨメが1番面倒見てるんだぜ・・・。

「アンタ〜、なんかいのぉ〜。分からんけえ、はあ、ええわ。」

ん?諦めるのか⁉️

「夕食はばあちゃんの好きな海鮮丼ぶりだよ。♫ でも、ヨメの名前を思い出せなかったら取り消しね。」

f:id:samantha1962:20230520173148j:image

ばあちゃん、必死で考える、考える。(笑)

「ヒント出そうか?」

ヨメの声が聞こえないくらい考えている。♪(´ε` )

「冗談だよ。ちゃんと海鮮丼ぶりするから。」と言おうとしたタイミングで、「ワシん家の嫁さんは、◯◯さん!」

御名答〜👏

ばあちゃん、スッキリした顔でニヤリと笑う。

やっぱ、人は追い込まれると思わぬ力を発揮するもんだねえ。

そもそも、ばあちゃんはヨメのことを家では「お母さん」って読んでるから忘れるのも無理ないけどね〜。

よく思い出しました。Good Job👍

 

なにがめでたい!

 

本日5月19日は母の誕生日。ヨメは母に「おめでとう❗️」って言わない。今まで何度も誕生日におめでとうコール📞をして怒られた思い出がある。

「なにがめでたいのよ!そんなこと言うもんじゃないわ。💢」

なんでそこまで怒るのか?

確かに年をとることはある時点から「めでたい」ものでなくなるのかもしれないけど、複雑である。人生の終わりが近づいてくるのだから。少しずつやれる事が少なくなってくるのだから。「なにがめでたい!」そうかもしれんな。(笑)

体から魂が無事に脱出できた時、「おめでとう」って言ってみようか。

産まれて おめでとう

人生の修業を終えて おめでとう

・・・。🤔

「なにがめでたい!」ってまた怒られるかも。最期は「ありがとう」にしておきましょうか。

 

🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀

 

先日下蒲刈にフランス🇫🇷からの豪華客船“ル・ソレアルで250名もの外国の方が来航されました。ヨメは参加できませんでしたが、ガイド仲間が心のこもったおもてなし。大成功❣️めでたし めでたし

f:id:samantha1962:20230519185842j:image
f:id:samantha1962:20230519185848j:image
f:id:samantha1962:20230519185845j:image

皆さまも是非お立ち寄り下さいませ