ヨメろぐ

嫁を通して見た小宇宙!同居人の介護のため、31年間続けた仕事を辞めてヨメはじめました。ちょっと笑える日々のことをイラスト付きで更新中✍

じいちゃんの時計

「どうも時計がおかしいわい。止まりそうに針が動きよる。充電しても直ぐにきれるの〜。」

 

 じいちゃん、毎日一歩も外に出ず、コタツでテレビを観ている。だけど、腕時計にこだわりがある。部屋に大きな掛け時計もある。テレビにも時間表示がある。しかし、腕時計を見る。

 その腕時計、 ヨメがインドネシアに行く前にプレゼントした物。もっと良いものを買おうと言ったが、じいちゃん、「これでええ。」

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「のお、はあワシも寿命じゃけん、時計も直さんでええかの〜と思うちょったが、新しいのを買おうかの〜。」

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 じいちゃん、在宅酸素治療で酸素を吸い始めて、医者から「これで長生きできますよ。」って言われ、時計の買い替えを考えたよう。

 

 時計の針が、カックンカックンとかろうじて動いている。じいちゃん、それと自分を重ねていたのかな。

 時は刻む。何をしていても待ってはくれない。自分の中の時計が止まっている時だって、時は止まらない。

 

 さあ、じいちゃん。

日曜日には時計を買いに行きましょう。

外に出る絶好の機会だしね。

人混みは避けてマスクはするんだよ。

 

 じいちゃん、嬉しそうにほほえんだ。

 

 この感傷的な場面で、ばあちゃんの一言。

「今のような安物じゃなくって、いいのを買わんとの〜。」

 

 そうだねー。

 

 今のは私は買ったんだけどね〜。

ばあちゃんの口、ホッチキスで止めちゃろうか!って時々思うヨメである・・・。