「ワタシはウソは申しません。」
じいちゃんが、そう言いながら体温計をヨメに差し出す。
この1週間、じいちゃん、ばあちゃん発熱。
特にじいちゃんは38度を超える高熱。
それでも頑として病院に行かない。
ヨメ、病院の先生にお願いし、薬を処方してもらう。
ヨメの読みでは、じいちゃん、まだ熱がある。
疑いの目を向けると、
「ワタシはウソは申しません。」と体温計を差し出す。
36度5分・・・それって、さっき、ばあちゃんが測ったやつだよねー。
そこまでして病院に行きたくないの?
辛そうなのに・・・。
じいちゃん、つぶやく。
「もう、ええじゃないか・・・。そのままでええ。」
どういうことだ?
もういいって? ヨメ❓
何もせずに逝くときは逝かせてくれということだろうか?常々、じいちゃん、延命治療はしないでほしいと言っている・・・。
それ以上、じいちゃん、何も言わない。
沈黙することも一つのメッセージ・・・。
「人生の終い方」・・・ヨメならどうする?