「アンタあ〜、2階に行くんか?」
そうですけど、何か?
ばあちゃん、何か用があるのかしらと思い、聞くも「別に用はない。」と。行こうとすると上目使いでヨメを見る。上がりづらくなり、ばあちゃんの横に座り一緒にテレビを見る。
なんだこれ?
心を鬼にしてスクッと立ち上がる。ばあちゃんがヨメを見上げるが見ないふりして「またあとでね。」
ばあちゃん、何か話したいわけではない。なにも会話しなくても一緒に居たいようである。ヨメにとってはその空気感がつらいのであるが。10分くらいは付き合うか。
寂しいのだな。
ヨメは1人の時に孤独を感じることはあるし、集団の中で、それを感じることもある。寂しい時もあるし、気楽で自由な時もある。孤独でもいつも「自分」と一緒にいるではないか。自分相手に気楽で楽ちん。
はて、ばあちゃんは「自分」と一緒に居ることができないのだな。他の人に依存しがちである。孤独は時に厄介なものであるな。
カチャ。ばあちゃんが玄関のドアを開ける。誰かを求めて放浪タイムが始まる。最近は1人で帰ってこられるから、それもいい。
「行ってらっしゃーい。」
地域の皆さま、どうぞばあちゃんを宜しくお願いいたします。