デイサービスの日。ばあちゃんの帰宅時間に間に合わなかった。車を飛ばして急いだのだが。
帰宅すると、家の鍵は開いているのに、ばあちゃんがいない。部屋か?トイレか?家中探してもいない。ばあちゃんの
カバンは?
ある。
上着は?
ある。
クツは?
ある。
どこ?
窓から外を見る。
いたー。
畑で何やら小躍りしてる。なんでかヨメのクツをはいて小躍りしている。ちょっとだけヨメの背筋が寒くなる。声をかけると嬉しそうに帰ってきた。
ばあちゃんの首には銀メダル。今日のデイサービスのゲームで2等だったと大喜び。「コレをアンタに見てもらおうと思うて待っとったんじゃ。見てくれえや。」
・・・。😅 なぜだか一瞬、戸惑った。ハッとして「すごいじゃん。さすがじゃね。仏壇のじいちゃんにも報告したら?」と、返答する。ばあちゃん、勢いよく蒸気をあげている炊飯器のふたを開け、仏飯をよそい銀メダルと共に仏壇へ。まるで子どものように喜んで。
へ?
ご飯、まだ炊けている途中だけど・・・。
よかったけど、ちょっと変なばあちゃんの様子にヨメは少々動揺する。
ヨメのクツ
炊けてない御仏飯
・・・。
朝言ったことを昼には忘れてしまったり、洗剤を山ほど入れて洗濯機回したり、ドアを開けっぱなしで暖房ガンガン、突然大声でカラスを威嚇する。ちょっとずつズレていくばあちゃんである。
目の前で見ているヨメは戸惑ったり、イヤーな気分になる自分が嫌になったり🤢、「やっていけるかしら?」と逃げたくなる時がある。
ばあちゃん、今日は銀メダル。
デイサービスで頑張ったんだね。夕食の時にツレにも見てもらいましょうかね。テーブルに丁寧に置かれた銀メダル。ヨメはふと思う。
銀色の折り紙貼ったメダルに書かれた「銀」の文字。オリンピックのメダルにもsilver って書いてあるのかしらん?(笑)
文字を見ながら何だか、微笑ましいような、哀しいような気分になったヨメである。