「さえんの〜。」
ばあちゃん、毎日のようにつぶやく。広島弁で「さえん」は2つ意味がある。1つ目は「 ぱっとしない=冴えない」、2つ目は「悲しい、残念」である。ばあちゃんのは2つ目である。
長生きして「さえん」。
死ぬかもしれんから「さえん」。
彼女の矛盾した気持ちは分からなくもないが、毎日聞かされるヨメは、それこそ「さえん」のである。しんどいわ〜。これも方言?(笑)
ばあちゃんの友人たちは皆「アンタが1番幸せなんよの。」と励ます。嫁がご飯も作り、病院にも行きたいところに連れて行ってくれる。孫もいて、ひ孫もいる。幸せではないか!と。するとばあちゃん、その友人たちにこう言い放った!
「ほんまじゃの〜、ワシが1番幸せじゃのぉ〜。アンタらの方がさえんのお〜。」😅
こういうところがばあちゃんなのである。皆、苦笑いである。大人な皆さんは、ばあちゃんを追及することはない。
聞き流すのが1番であるが、ヨメは体調不良の時はイラっとしてしまう。黙っておくれ。
あゝ、反面教師であるな。
ヨメはどう生きるか!
愚痴で生きるか?笑って生きるか?
・・・、そうだな・・・。
1人でできることは1人で、できないことは「助けて」って言う。そしてできるだけ笑顔で過ごそう。
ヨメが小さい頃に父が親戚のおじちゃんに言っていた言葉を思い出す。「この子はね、姉と比べるとちょっと不細工だけど笑顔がええんじゃ。笑っときゃあ、ええ!」
自分の娘をつかまえて「不細工」はないのでは、とも思わないでもないが「笑っときゃあええ」という言葉はヨメを勇気づける。ありがとうね、父さん。
ばあちゃんはどう生きるか?
ばあちゃんの「さえん病」はばあちゃんの問題である。