カチャカチャカチャ。ばあちゃんが食器を片付け始める。ばあちゃんの担当である。
「油がついてるお皿は洗剤で洗ってね。」
ばあちゃんは、スポンジも洗剤も使わず、素手で洗う。故に油系の食事の時は、ねっとりとしたままの皿が乾燥機に並ぶこととなる。後からこっそりと洗い直していたヨメであるが、もう疲れた。そんな配慮はやめたのである。
「・・・。」
黙っているばあちゃんに代わってヨメが言う。
「「いちいち言わんでも、分かっとるわ!」って言わんと。(笑)」
「言いたいんじゃが、言葉が出てこん。」
言いたかったのか〜。(笑)
ばあちゃんは脳梗塞をして以来、言葉が出づらい。ウィークポイントだな。
意地悪なヨメである。
おじいちゃんの月命日のお墓参り。ばあちゃんがお寺の「鐘をつきたい」と言う。
ゴゴゴーン〜〜〜‼️
すごい力でついたもんだ。振り返り、ニヤリと笑い、「アンタもついてみい」と言う。
この顔、挑戦状だな。
ばあちゃんはどっちが大きい音を出せるかいつも勝負を挑んでくるのである。(笑)
この度は、ヨメ、挑発にのらない。
ゴ〜ン〜♫
「ワシの方が大きいの❣️」
「・・・じゃけど、アンタのは優しい、ええ音じゃのぉ〜。」
あら、伝わった?
ばあちゃんの健康を願って優しくついたのよ。(笑)
108個の煩悩のうちの1つを手放したヨメでした。にしても、あるよね〜、煩悩。