ヨメろぐ

嫁を通して見た小宇宙!同居人の介護のため、31年間続けた仕事を辞めてヨメはじめました。ちょっと笑える日々のことをイラスト付きで更新中✍

好きだったわよ

 

ヨメの実母91才。老人介護施設で暮らしている。5月に体調を崩して以来、点滴で命をつないでいるが、いよいよその針も入りにくくなり、腕に点滴ルートを埋め込むことにした。

「ありゃ~、これでは手術はできないな。血液検査からするとかなり状態が悪い。もってここ数日、2,3日でしょう。」

えっ? 医者の言葉に、気持ちがついていかず、「そうですか。」というのが精一杯であった。姉と施設と、かかりつけ医にそのことを伝え、母と面会してトボトボ帰る。

2日おいての面会日。これで最期かも・・・。目を開けているであろうか?

「待ってたよ。遠いのによく来てくれたわね。」

えええええっ・・・。

大きな声でよくしゃべる。「今日は大きな声がでて、ビックリするわ。」と母。コーヒー50㏄飲んだだけとは思えないほどの晴れやかな声。

ヨメ、昔の写真を取り出し、母に見せる。父の写真を見せた時、

「好きだったわ。」と母。

「駅長でね、国鉄だから2割引きで電車に乗れたのよ。」

よくケンカしていたようにも思うけど、好きだったんだ~。人には分からない、それぞれの歴史。60才で逝った父である。

いつ逝ってもおかしくはない、と言われている母。その母の言葉がなんだか、ヨメの心を、行く道を照らしてくれる。

ねえ、父さん。母さん、父さんのこと好きだったんだって。

そっちに行ったらよろしく頼むよ。

f:id:samantha1962:20231008070818j:image